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アデルがパーティーで振る舞ったのは
大皿のボロネーゼ。
Story
道ですれ違った青い髪の女性に心惹かれたアデル。
再会した2人は、激しい愛の渦に飲み込まれていくが-。
高校生のアデルは、両親と共に安定した生活を送っています。
友達ともうまくやり、高校生活も平穏で順調そのもの。
部屋におやつボックスを置いていたり、お父さんの自慢のパスタをおかわりしたりと、欲求に素直でよく食べてよく眠る女の子です。
幼い面もありつつ、読書好きで文学センスの光るアデルは、子供と大人の境目で揺れ動く時期を迎えていました。
心を寄せてくれる男の子とデートしたものの、なぜか悲しくなって別れを選んだアデル。
一度道ですれ違って目を奪われた女性とバーで再会し、ようやく自分の惹かれる相手が同性であることに気がつきます。
運命的な再会を果たしたエマと燃え上がるような恋に落ちつつも、アデルは自分の周りの人には言えないまま。
一方のエマは、レズビアンであることを公表していて、画家として生きることにひたむきに情熱を注いでいました。
そんなエマにますます憧れを募らせるアデル、やがて2人は一緒に暮らすようになりました。
高校を卒業後、教師を目指すアデルと、人脈を広げつつ画家としてアデルをモデルに描き続けるエマ。
ある日エマは絵の披露をするために2人の家でパーティーを開き、アデルはたくさんの料理をこなしてゲストたちをもてなすことに。
メインディッシュは、大皿いっぱいのボロネーゼ。
何十人分かのボロネーゼは、バジルやオリーブを散らしてあって見るからに美味しそう。
アデルは1人1人のお皿に取り分けてあげて、もちろんパルメザンも用意していました。
エマを両親に会わせた時もアデルの父親がボロネーゼを振る舞っていたので、アデルにとっては特別な料理なのかもしれませんね。
エマのアーティスト仲間たちも大喜びで、みんな美味しそうに食べながら芸術を語り合います。
エマやエマの友人たちを満たすことで幸せを感じるアデルですが、エマはアデルにもっと芸術での繋がりを求めていたようです。
パーティの後、アートとビジネスの間で苛立ち留守がちになるエマと、疎外感を感じだしたアデル。
小さなボタンの掛け違えは、悲しいお別れの始まりとなってしまいました。
アデルの食べるシーンが多く、食べるもので色んな状況が読み取れる本作。
考察も楽しいですが、単純にアデルの食べっぷりについついつられてしまいそうになる映画です。