重大な事実を人に教えたら
ご褒美を褒美をもらえたっていいはず。
マイケルがグリーンに要求したのは
1つじゃなくて3つのチョコレート。
エレファント・ソング [DVD]
Story
失踪した精神科医ローレンスを探すため、患者のマイケルと対峙する院長のグリーン。
マイケルは情報提供の代わりにと交換条件を提示してきて-。
’65年12月のカナダ。
クリスマス前の慌ただしい時期に、1人の精神科医が姿を消します。
狼狽えて出て行く姿が目撃されて以降消息のつかめない医師・ローレンスを探すため、院長のグリーンが患者に話を聞くことになりました。
直前にローレンスが診ていた患者の名はマイケル・アリーン。
オペラ歌手だった母が14歳のマイケルの目の前で自殺して以降、ずっと精神科に入院している孤独な青年です。
マイケルは医師や看護師を翻弄して楽しむ厄介な患者でもあり、看護師の間では有名な問題児でもあります。
ピーターソン看護師から忠告を受けたものの、グリーンは「相手にするつもりはない」とマイケルのカルテすら読まずに対面。
早々に挑発に乗ってしまうこととなり、「ローレンス医師を探すため」だけの面談は複雑な話へと発展していくのでした。
情報を持っている事は間違いがないようで、マイケルはグリーンに3つの条件を提示します。
1つ目は「マイケルのカルテを見ないままでいること」。
他の医師の意見で先入観を持たず、目の前の自身を知ってほしいという望みです。
2つ目は「チョコレートが食べたい」。
情報を提供するのだから、ご褒美をもらえるのは当然だという主張でした。
そして3つ目が「看護師のピーターソンをこの件から外してほしい」というもの。
彼女が関与していることを仄めかして、ローレンス医師の失踪との関わりを示唆したのです。
肝心なことは1つもわからない中で神経を逆撫でされつづけ、それでも冷静に話を続けていたグリーン。
マイケルの話の矛盾点を突いたりと善処していたのですが、マイケルのあまりにも人を食った態度に我慢の限界に達してしまい、嫌味をぶつけてしまいます。
初めて感情的に声を荒らげたマイケルが「今日絶対に食べてみせる!」と宣言したのは、クリスマスに職員に配られるため置いてあったチョコレート。
誰よりも孤独だったマイケルの本心が理解できるのは、エンディングだけ。
見終わった後はほんのりビターなチョコレートを食べてみたくなりました。