銀行強盗、そして人質の銀行員たち。
どんな状況でも人をトリコにするのは
デリバリーのピザ。
Story
真夏のニューヨーク・ブルックリン。
銀行に押し入った強盗たちはあまりにも手際が悪く、短時間で周辺を包囲されてしまう。
籠城するしかなくなった強盗のソニーは、なんとか冷静になろうとするが-。
ソニーはお金が欲しかっただけで、人を傷つけるつもりも警察との接触も望んでいませんでした。
お客のいない時間を狙い、さっさとお金をいただいてさっさと帰る。
そんなソニーの計画は何ひとつうまくいきません。
そもそも計画と呼ぶにはあまりにも杜撰だったソニーたちの強盗の手口。
3人の仲間のはずが怖気付いた1人が逃げ出し、もう1人は銃を撃つ気満々で今にも暴発しそう。
おまけに銀行の金庫にはほとんどお金が入っていなかったのです。
リーダーを気取るソニーも冷静さを装ってみるものの、あっという間に警察に囲まれて取り乱すことに。
ソニーの説得役となったのは、モレッティ巡査部長。
親しげに話すことでソニーとの信頼関係を築き、懐に入り込もうと目論むモレッティでしたが、裏口から突入しようとした班がいたことからあえなく失敗。
ソニーは激しく動揺して、人質が死んだらモレッティのせいだと叫び、モレッティを責め立てます。
一気に振り出しに戻ってしまったことから、ソニーの望みをひとつ叶えてやることにしたモレッティ。
「みんなお腹が減っているから食べ物を」と頼んだソニーに、モレッティが提案したのはピザでした。
「ビールも欲しい」と言ったソニーにモレッティは「アルコールはやめておけ」と答え、炭酸飲料を勧めます。
ソニーたちの元に届いたのは、大きな箱に入ったピザ3箱と、缶入りのドクターペッパー、そしてタブソーダ。
タブソーダはコカ・コーラ社が初めて発売したダイエットソーダです。
ソニーは律儀にお金を払おうとしつつも、ちゃっかり銀行のお金を配達人に。
配達人は注目の事件現場にピザを届けたことに大興奮でした。
思い思いに寛ぎながらピザを食べ、ソーダやドクターペッパーを楽しむ頃には、人質となった行員たちもすっかりリラックスムードに。
その頃、モレッティはようやくソニーの妻を見つけだし、現場近くから電話で説得するよう要請。
ソニーも素直に電話に応じたものの会話はケンカに発展し、「アルジェリアまで逃げる」と言い出すソニー。
「どうしてアルジェリアに?」と聞かれたソニーは「ハワードジョンソンがあるから」と答えます。
「ハワードジョンソン」は、アメリカの有名なフランチャイズ・レストランのこと。
強盗たちや人質をリラックスさせたり、逃亡先の唯一の希望となったり、食べ物の役割はとても奥深いもののようです。