狼たちの午後 (Dog Day Afternoon ’75 USA)

狼たちの午後 (Dog Day Afternoon ’75 USA)

銀行強盗、そして人質の銀行員たち。
どんな状況でも人をトリコにするのは
デリバリーのピザ。

Story

真夏のニューヨーク・ブルックリン。

銀行に押し入った強盗たちはあまりにも手際が悪く、短時間で周辺を包囲されてしまう。

籠城するしかなくなった強盗のソニーは、なんとか冷静になろうとするが-。

ソニーはお金が欲しかっただけで、人を傷つけるつもりも警察との接触も望んでいませんでした。

お客のいない時間を狙い、さっさとお金をいただいてさっさと帰る。

そんなソニーの計画は何ひとつうまくいきません。

そもそも計画と呼ぶにはあまりにも杜撰だったソニーたちの強盗の手口。

3人の仲間のはずが怖気付いた1人が逃げ出し、もう1人は銃を撃つ気満々で今にも暴発しそう。

おまけに銀行の金庫にはほとんどお金が入っていなかったのです。

リーダーを気取るソニーも冷静さを装ってみるものの、あっという間に警察に囲まれて取り乱すことに。

ソニーの説得役となったのは、モレッティ巡査部長。

親しげに話すことでソニーとの信頼関係を築き、懐に入り込もうと目論むモレッティでしたが、裏口から突入しようとした班がいたことからあえなく失敗。

ソニーは激しく動揺して、人質が死んだらモレッティのせいだと叫び、モレッティを責め立てます。

一気に振り出しに戻ってしまったことから、ソニーの望みをひとつ叶えてやることにしたモレッティ。

「みんなお腹が減っているから食べ物を」と頼んだソニーに、モレッティが提案したのはピザでした。

「ビールも欲しい」と言ったソニーにモレッティは「アルコールはやめておけ」と答え、炭酸飲料を勧めます。

ソニーたちの元に届いたのは、大きな箱に入ったピザ3箱と、缶入りのドクターペッパー、そしてタブソーダ。

タブソーダはコカ・コーラ社が初めて発売したダイエットソーダです。

ソニーは律儀にお金を払おうとしつつも、ちゃっかり銀行のお金を配達人に。

配達人は注目の事件現場にピザを届けたことに大興奮でした。

思い思いに寛ぎながらピザを食べ、ソーダやドクターペッパーを楽しむ頃には、人質となった行員たちもすっかりリラックスムードに。

その頃、モレッティはようやくソニーの妻を見つけだし、現場近くから電話で説得するよう要請。

ソニーも素直に電話に応じたものの会話はケンカに発展し、「アルジェリアまで逃げる」と言い出すソニー。

「どうしてアルジェリアに?」と聞かれたソニーは「ハワードジョンソンがあるから」と答えます。

「ハワードジョンソン」は、アメリカの有名なフランチャイズ・レストランのこと。

強盗たちや人質をリラックスさせたり、逃亡先の唯一の希望となったり、食べ物の役割はとても奥深いもののようです。

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