セブン (Seven ’95 USA)

セブン (Seven ’95 USA)

愛する人の相棒なら
誰よりももてなしてあげたい。
トレイシーがサマセットを招待したのは
「揺れる我が家」でのディナー。

Story

退職間近のサマセット刑事の元へ舞い込んだ、猟奇的な殺人事件。

新人のミルズ刑事と共に捜査を始めるが、事件は始まったばかりのようで-。

「7つの大罪」になぞらえた連続殺人事件。

あと1週間で退職を迎えるサマセット刑事にとっては、気の滅入る厄介な大仕事です。

反対にサマセットの相棒としてあてがわれた新人・ミルズ刑事は気合十分のよう。

張り切って色々尋ねてくるミルズはサマセットにとって新たな頭痛の種なのでした。

仲良くなるつもりもなく、なんとか活躍しようと先走るミルズにうんざり気味のサマセット。

さっさと退職してこんな街からおさらばしたい、と心から願っています。

一方のミルズは、仕事ばかりで構ってやれない寂しそうな妻と、陰鬱な雨が続くこの街に越して来たばかり。

早く手柄をあげてこれからの励みにしたいと願っているのでした。

2人は違う事件を別々に担当することになり、お互いほっとしていたのも束の間、それぞれの事件が繋がっていることが判明。

サマセットは事件の根底にあるものを調べ、ミルズの車に資料を忍ばせて託す事にしました。

退職まであと数日、サマセットのオフィスはミルズが引き継ぐことになり、サマセットは脇にある小さな机で引き継ぎの作業を続けています。

そこに電話が鳴り「電話だよ」と告げるミルズに「もう俺の部屋じゃない」と返すサマセット。

電話の相手はミルズの妻・トレイシーからで、「職場にかけちゃダメだよ!」と焦りながらも小声で対応するミルズ。

そんなミルズを軽くかわして、トレイシーは電話をサマセットと代わるよう要求します。

トレイシーの電話はサマセットをディナーに招待したいというもので、ミルズの意見も聞かずサマセットも行くことを決めた様子。

なんとも言えない表情で帰宅した2人を、トレイシーは笑顔で歓迎するのでした。

孤独に暮らしてきたサマセットをもてなしたのは、トレイシーの特製ディナー。

食べている最中に部屋が揺れて、何事かと驚くサマセット。

ミルズたちが暮らすのは不動産屋に騙されて借りた、すぐ側を地下鉄が走るガタガタとひどい音と揺れが来る部屋だったのです。

「明るく楽しい揺れる我が家か」とジョークを言い、自分で吹き出すサマセット。

つられて笑い出すトレイシーに「君まで笑うなよ」とふてくされるミルズでしたが、初めてみるサマセットの楽しそうな様子につい一緒に笑い出してしまいました。

親睦を深めた善人たちの楽しそうなディナーシーン。

唯一の平和なシーンだったからこそ、悲しいエンディングが強烈に刺さる見事な作品でした。

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