思い出の味は、絶やさないように。
ピーターが再現しようとしたのは
パムの特製キムチ・ガンボ。
Story
妻を亡くして以降、娘のマーゴットと2人でなんとか暮らして来たデイビット。
ある日忽然と姿を消したマーゴットを探すため、あらゆるSNSのデータを調べることになるが-。
カリフォルニア郊外で幸せな家庭を築いていたキム一家。
1人娘のマーゴットに愛情を注ぎ、ピアノを教えていた母親のパム。
父親のデイビットはイベントごとに写真や動画を撮影し、パソコンにはたくさんの思い出が保存されていました。
そんな一家に忍び寄る、暗い影。
体調を崩したパムが検査を受けた結果、癌であることが判明したのです。
一度は寛解したものの、数年後に再発した癌はまだ若かったパムの命を奪ってしまいました。
失意の中生活を続けてきたデイビットとマーゴットでしたが、パムのいない2人の間には見えない壁ができてしまっていたのでした。
ある日勉強会で友達の家に行ったまま、行方をくらませたマーゴット。
最初はメッセージを送ったり電話をしたりして待っていたデイビットですが、返信のないことに危機感を募らせていきます。
弟で近所に住むピーターに相談してみたものの、ティーンエイジャーなんてそんなものだと諭されるデイビット。
パムのアドレス帳からマーゴットの友人を調べて連絡をとり、一度は安心しかけたものの、マーゴットの姿を見ていないと告げられてようやく警察へ通報。
マーゴットの失踪は大きな事件へと発展していくのでした。
そんなマーゴットのことを可愛がってくれていた、デイビットの弟のピーター。
マリファナを吸うという悪癖がありデイビットの頭を痛めたりもしますが、マーゴットの捜索に駆けつけてくれる心強い味方でもあります。
以前からパムを亡くしたデイビットを気遣いちょくちょく電話をくれていましたが、デイビットはなかなか素直に好意を受け取れずにいました。
ある日ビデオ通話でかけてきたピーター、料理中だったようで鍋の中身が映し出されています。
何を作っているのかと尋ねるデイビットに、”料理の名前が思い出せないんだよ”と答えるピーター。
「パムの得意料理だったんだけど」と材料の名前をあげるピーター、デイビットは”キムチ・ガンボだ”と教えてあげました。
ガンボとは、シーフードなどの具材をとろみのあるスープで煮込んだシチューのようなケイジャン料理。
キムチ・ガンボはパムのオリジナルレシピで作られた特製メニューで、枝豆を入れるのがポイントなんだとか。
ピーターはレシピを送ってもらい、パムのレシピを引き継いでいくことになりました。
悲しみを乗り越えた時、みんなでパムを想いながら食べるキムチ・ガンボはきっと幸せな味がすることでしょう。