サイコ (Phycho ’60 USA)

おもてなしの心は必ず料理に反映される。

素っ気ない夜食が出てくるモーテルには、ご用心。

Story

衝動的に会社のお金を持ち逃げしてしまったマリオン。

遠くへ逃げようとするが、大雨に見舞われてモーテルで一泊することに。

マリオンが立ち寄ったベイツ・モーテルは旧道沿いのせいか全室が空室だった。

1人でモーテルを管理している青年はノーマン・ベイツと名乗り、隣の大きな家で母親と暮らしているらしい。

疲れをとろうとバスルームでシャワーを浴びていると、シャワーカーテンには不穏な人影が写って-。


借金持ちで結婚する見通しの立たない恋人との関係に疲れてしまった、不動産業界で働くマリオン。

そういう時には周りの結婚話に敏感になってしまうもの。

社長が契約を交わしたお客は、娘が結婚するのでお祝いに家を買ってやるのだと気前よく現金で支払います。

銀行に預けるため現金を受け取ったマリオンでしたが、魔が差してしまい、お金を持って逃げてしまおうと決意。

荷物をまとめて車に乗り込み、道中では念入りに車を買い替えましたが、辺りが暗くなった頃、視界を遮るほどの大雨に見舞われてしまいます。

そんな時目に飛び込んできたのは、道沿いにポツンと立っているモーテルの看板でした。

新道のせいでお客さんが少なくて、と語るベイツ・モーテルの管理人、ノーマン。

「もう少し先に大きなダイナーがありますよ」と教えてもらったマリオンでしたが、大雨と疲れのせいで出かける気にもなりません。

そんなマリオンに「簡単な食事で良ければ一緒に食べませんか」と声をかけるノーマン、疲れ切っていたマリオンは親切な申し出を受け入れることにします。

数分後、モーテルの隣に建つノーマンの家からは大きな怒鳴り声が。

ノーマンの母親が女を連れ込むなと叱りつけているようで、ノーマンもロクに言い返せずにいるようでした。

気まずそうな顔でノーマンが運んできたのは、パンとサラダ、ミルクという軽食。

簡単なものを用意すると言っていたノーマンですが、トレーに載っていたのは積み上げられたただのパン。

マリオンはパンにバターのようなものを塗りたくって食べていました。

薄気味の悪い鳥の剥製だらけの部屋で病んでしまった母親の話などを語られて、とても食欲を削がれてしまうこのシーン。

その後マリオンが辿る運命を知らしめるような殺伐とした食事シーンでした。

ちなみにノーマンがいつも口に放り込んでいるのは、キャンディコーンというアメリカのお菓子。

ハロウィンの定番として人気のある有名な駄菓子なんですよ。

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