親しい人たちへ振る舞うディナーは、スパイスを効かせて。
エリザベトが用意したインド料理のメインメニューは
チキンカレー。
Story
文学教授のシュテファンと妻のエリザベト。
ある夜、幼馴染でクラリネット奏者のレネ、エリザベトの弟トーマス、その恋人のアンナを招いてディナーを振る舞う。
妊娠中のアンナの子供の名前を当てようと全員が楽しんでいたが、トーマスが「名前はアドルフ」と言ったことから空気は一変して-。
名前に罪はなくても、避けて通りたい名前もあるもの。
ドイツでは最大のタブーとして扱われているのが、ヒトラーと同じ名前である「アドルフ」という名前なのです。
子供が産まれてもすぐに復帰したいと願うアンナは、役者としてオーディションを受けている最中。
ディナーにも遅れてやってくることになるのですが、アンナが来る前に起きていた騒動こそが「子供の名前をアドルフにする」というものでした。
悪の化身の名前を付けるなんて!と言うシュテファンたちと、戦争をしない子に育てるためだ!と主張するトーマス。
頭の固いシュテファンと主張を曲げないトーマスの論争はどんどんヒートアップし、中立な立場のレネも仲裁が出来ません。
男たちの言い争いを知らず、名前当てゲームの続きを楽しみに1人キッチンで料理を続けていたエリザベト。
料理が得意なエリザベトがこの夜のために準備していたのは、インド料理でした。
メインとして振る舞われたのは、チキンカレー。
何か味の決め手に欠けると頭を悩ませながら手間をかけて作ったチキンカレーは好評で、大親友のレネも「また腕をあげたね」と褒めていました。
そんなエリザベトの料理に敬意を払わず論争を続けるシュテファンとトーマスに、エリザベトはうんざり気味。
感謝もしなければ手伝いもせず、待っててねと言った話題をエリザベト抜きで進めてしまうシュテファン。
遅れてやってきたアンナが鳴らしたベルの音に気付いていたにも関わらず、出迎えすらエリザベトに任せきりなのです。
ヒートアップした勢いでエリザベトにまで大声をあげてしまったシュテファンは、エリザベトの怒りメーターを着実に上げ続けていました。
アンナがやってきて、再び蒸し返された「アドルフ問題」。
何も知らないアンナとシュテファンの話はうまい具合に噛み合わず、名付け論争はさらに広がりを見せます。
やがてお互いの隠された過去や秘密まで暴いていく大論争へと発展。
落ち着いてみれば、ディナーへの感謝がカケラもなかったとようやく気付くシュテファンですが、時すでに遅し。
食事を用意してくれた人には常に感謝と敬意を、そして食事は楽しく味わっていただきたいものです。