緊張感を保って仕事をするには
上手に気持ちを切り替えること。
勤務中のアスガーが口にするのは
グラス一杯の冷たい水。
Story
緊急通報司令室でオペレーターをしているアスガー。
誘拐されていることを仄めかす通報を受け、電話越しに救出を試みるが-。
警察官である主人公のアスガーは、翌日に裁判を控えている様子。
職務中に何かがあったらしく、通常の職務を離れて緊急通報司令室での勤務を余儀なくされているようです。
真面目で正義感の強い警察官である一方、熱くなりすぎてしまう面も持ち合わせているアスガー。
電話対応は冷静で優秀、しかし淡々と仕事をこなす表情は硬く、他のオペレーターたちと打ち解ける様子もありませんでした。
そんなアスガーが受けた、とある一本の電話。
通報の内容を尋ねてもチグハグな返事をする相手に、「酔っ払いか…」と電話を切ろうとするアスガー。
ところが、通報者の声が緊張していること、わざと噛み合わない返事を返してくることに不自然さを感じ、質問をイエスかノーで答えられるものに切り替えることに。
その結果、電話の主は武装しているかもしれない人物に車に乗せられ、さらわれている最中だと判明します。
通報者の女性がイーベンという名前であることと、高速のどの辺りを走っているかというわずかな情報を頼りに、アスガーは彼女の救出を試みるのでした。
警察車両の手配のために各地の指令室に繋いだり、子供がいるらしいイーベンの家に警官を手配したりと、的確な対処をしていくアスガー。
やがて事態は思いもよらない方向へと動いていくのですが-。
勤勉なアスガーが職場で口にするのは、ウォーターサーバーの冷たい水だけ。
隣のデスクのオペレーターがサンドイッチ片手にのんびりと仕事をするのに対し、アスガーは常にピリピリとしたムードで電話応対をしていました。
そもそも、自身の抱える職務上の問題についての裁判が翌日に控えるアスガーにとって、通報のほとんどが「どうでもよい話」。
水に発泡薬を溶かして立ち登る泡を眺めながら、気持ちはどうしても自分の問題に…。
「早くでなきゃ!」と他のオペレーターに指摘されてようやく我に返ったアスガーが受けた電話こそが、イーベンからの通報だったのです。
思ったよりも深刻な展開を見せる通報に対処しながら、薬の溶けた水をグビッと飲み干して気持ちを切り替えるアスガー。
イーベンの持ち込んだ問題の結末、そしてアスガーの抱える問題が明かされる衝撃のエンディング。
息もつかせぬスリルを味わえる、極上のデンマーク作品です。