死刑囚だってさまざま、時には看守を助けてくれることだってある。
苦痛を癒してくれたジョンにポールがお礼として渡したのは
奥さんが焼いてくれたコーンブレッド。
Story
1935年・大恐慌のアメリカ。
“グリーン・マイル”と呼ばれる通路をもつ死刑囚棟にやってきた、1人の囚人。
迫力のある大男の名はジョン・コーフィ。
見かけとは裏腹に心優しく物静かで、裏腹に暗闇を怖がるジョンは、看守主任のポールの前で不思議な力を発揮する。
信じられない体験に驚くポールだったが、ある日死刑囚棟で事件が起きて-。
死刑囚棟で主任看守を務めるポールは、ひどい尿路感染症に苦しんでいました。
病院に行かずやり過ごそうと仕事に勤しむポールでしたが、厄介な部下・パーシーに手を焼き、規律を守らせるのに頭を悩ませる毎日。
そんな中やってきた新入り死刑囚のジョンは、大柄でいかつい外見と違って全く手のかからない大人しい男でした。
続いてやってきた囚人・ウィリアムは残念ながら大の問題児で、移送されてきたその足で看守を人質に取り、好き放題に大暴れ。
すぐに制圧しようとしたポールでしたが、痛む急所に膝蹴りをくらい悶絶。
なんとかウィリアムを監房に押し込めた後に倒れ込んでしまいました
そんなポールに声をかけたのが、1番奥の房にいたジョン。
話があるから来て欲しいと呼ばれたポールは、朦朧としながらもジョンの房の前へ。
途端に格子の間からジョンの腕がニュッと伸びて、ポールの胸ぐらを掴み引き寄せました。
そして「治してやる」と一言、もう片方の手をポールの股間に。
絶対絶命のポール、ところが房の灯りがスパークし、ジョンが手を離した瞬間にポールを苦しめる痛みはなくなっていたのです。
何が起こったのかわからず呆然としていたポールですが、トイレに行ってみても痛みは跡形もありません。
その日家に帰ったポールは、長い間お預けだった夫婦の甘い時間を取り戻すことに。
上機嫌で仕事に戻ったポールは、ジョンにお礼を差し入れました。
この時ポールが持ってきたのは、奥さんが焼いてくれたコーンブレッド。
コーンブレッドとは、とうもろこしの粉から作られるアメリカでもっとも愛されているパンのこと。
見る前からそれとわかるほどよい香りを漂わせていたコーンブレッド、もらったジョンは本当に嬉しそうでした。
そして囚人のデルと、デルの飼いネズミ「ミスター・ジングルス」にも分けてあげて欲しいとポールに頼みます。
もうずっと長い間、人の悪意にばかり触れてきて、親切を受けることがなかったジョン。
善行のお返しとしてもらったコーンブレッドは、人知れず苦しんできたジョンに安らぎを与えてくれました。