冷酷無比なハロルドだって、受けた恩は忘れない。
ムンクのお見舞いに持って行ったのは
アンソンバーグの大きな箱のチョコレート。
Story
刑期を終えて出所したばかりのハロルド。
父親のように接してくれたムンクが入院したと聞いてお見舞いに。
先が長くないと言うムンクは、一度も会ったことのない息子に会いたいとハロルドに頼み込む。
恩返しのためにと引き受けたものの、件の息子がいるのはスウェーデンの重警備刑務所。
構うものかと手下のマーチンとピーターを引き連れてスウェーデンへと向かうハロルド。
ところが行く先々でトラブルが起こり、とてつもない大騒動を引き起こす-。
出所したてのキレやすい男、ハロルド。
彼はレストランを経営していて、雇いのコックが迎えに来るはずだったのですが、見当たらないことにすでにイライラしています。
仕方なくバスに乗ってお店に行くと、厨房では楽しそうにはしゃぐコックたち。
作るのも好きだけど食べるはもっと好きなコックのマーチンが、菓子コンテストに出場するためにと大量のパイを焼いていたところでした。
最高に美味しいから優勝は間違いないとベタ褒めする相棒のピーターに、強敵ばかりだから難しいと謙遜するマーチン。
残念ながらハロルドにはどうでも良い話だったようで、2人の会話は癪に触ったみたいです。
菓子コンテストの準備に余念がないマーチンがなぜかクラゲとサーモンの寿司を作っていると、ハロルドに一本の電話が。
それはハロルドにとって父親のような存在である、ムンクが入院したという一報でした。
早速お見舞いにと面会時間外の病院へと向かった3人の男たち。
この時ハロルドが持って行ったのが、アンソンバーグのチョコレート。
アンソンバーグはデンマーク王室御用達の由緒あるチョコレートブランドで、国内外でも広く愛されています。
確実に30個以上は入っていそうな大きな箱を小脇に抱え、注意した看護師を退散させてムンクに笑顔を見せるハロルド。
大抵の人間には微塵の情もかけないハロルドですが、ムンクにだけはとても親身で穏やかな顔をのぞかせます。
ムンクの最後の願いを聞いてやろうと言うハロルドですが、杜撰で無謀な計画しか立てず、スウェーデンの街中で大暴れ。
なんとか約束を果たして息子のルービックを連れて戻った時にも、また大きなチョコレートの箱を病院に持ち込んでいました。
終始誰かが何かを口にしている本作ですが、お見舞いのチョコレートが唯一ハロルドの優しさが詰まったアイテムとして際立っていました。