誰も気付かない秘められた特技。
ナポレオンが味の違いを言い当てたのは
農業クラブ連盟に参加して飲み比べたミルク。
Story
冴えない高校生活を送るナポレオン・ダイナマイト。
ど田舎に住むナポレオンは小学生に混じって通学バスに乗り、無意味なイタズラをしたり得意のイラストを描いて日々を過ごしている。
転校生のペドロに学校案内をしてあげたことから初めて友達ができたナポレオン。
退屈だった毎日にほんの少しずつ変化が起き始めて-。
いじめられているのかと思いきや果敢にやり返してみせたり、いつも半袖のTシャツにスノーブーツという着こなしをする謎多きナポレオン。
アイダホの中でもかなり辺鄙な所で、祖母・カーリング、年の離れた兄・キップと共に暮らしています。
ナポレオンやキップと違ってかなりアクティブな祖母のカーリングは、ラマをペットとして飼っていて、ティナと名付けて可愛がっています。
兄のキップはひきこもりに近い状態でほとんどを家で過ごし、チャットで出会いを求めてやりとりを重ねている様子。
変わった家族に囲まれていることを嘆くナポレオンですが、彼自身も立派な変わり者。
口は常に半開きで、「彼女がいる」だの「ギャングにリクルートされた」だのと大ボラを吹いて見せたり、特技がないと嘆いてみせたり。
年下の子供や話しかけてくれたクラスメイトにはなぜかつっけんどんに返してしまう、ティーンエイジャーらしさも持ち合わせています。
コミュニケーションが苦手なのは間違いないですが、自ら声をかけて距離を縮めることもあって、友達はほしいようです。
手話クラブでは手話で歌を発表したり、架空の動物「ライガー」のイラストを描くなど、インドアで活躍するのが得意なナポレオン。
そんなナポレオンにようやくできた友達は、転校生でメキシコ系移民のペドロでした。
小柄で人当たりのソフトなペドロは学校で唯一ヒゲを生やした生徒で、大人しそうに見えて無謀なほど積極的な面を持っています。
まだナポレオンしか友達のいないペドロが「やってみようかな」と思いついたのは、なんと生徒会長への立候補。
もちろん全力で応援する!と決めたナポレオンは、ペドロと共に行動を起こします。
2人がクラブを立ち上げようと視察に向かった先は農業クラブ連盟、ここでナポレオンの秘められた才能が開花します。
ナポレオンが飲み比べで味の違いを言い当てたのは、連盟の牛から搾られたミルク。
「牛が玉ねぎ畑に入った」などと普通なら気付かないような味の違いを次々見抜いたナポレオン。
高校生活では役立てることの出来ない才能かもしれませんが、将来はきっと大物になるに違いありません。