地球の常識は、宇宙では通用しないことも。
K-PAX星人を名乗るプロートが好きなのは、皮ごと食べるバナナ。
Story
グランド・セントラル駅で身柄を保護されたプロートは自称”K-PAX星人”。
精神科医であるマークにK-PAXの話を詳細に語ってみせる。
プロートが地球人であることを証明して見せようとするマークだったがー。
スリと間違えられて身柄を拘束された時に地球を旅行中であると発言し、病院へ送られてきたプロート。
身元は不明でサングラスを外さず、地球や他の惑星の話を持ち出すミステリアスな男です。
担当することになった医師のマークは、自称キリストや自称ジャンヌ・ダルクなどにはもう慣れっこ。
ところがK-PAX星人を名乗るプロートはどんな投薬に対しても無反応で、検査の結果紫外線がみえていることも判明。
あり得ないと思いつつも信じてしまいそうになる、”地球人としては”不可解な部分がいくつも見受けられるのでした。
初めてマークと面談した日にプロートが目をつけたのが、テーブルに飾られていたリンゴ。
「デリシャス種だよね」と嬉しそうにかじりつくと、話をしながらあっという間に食べ終えてしまいます。
肉類を口にせずフルーツばかりを好んで食べるところを見ると、K-PAX星人はどうやらベジタリアンのようです。
次の面談の際、プロートが手を伸ばしたのはバナナ。
皮を剥かずにそのまま頬張り、バリバリと皮ごと一気に食べてしまう姿は、なんだかとっても新感覚。
プロートも「地球に来た甲斐があるよ」とご満悦です。
他の患者ともすぐに溶け込み、薬物の投与もしないのに患者たちの”治療”をしていくプロート。
天文学者たちさえ驚くほどの知識をもつプロートの姿に、マークはますます混乱してしまうのでした。
ようやくプロートの身元を判断する手掛かりを得たマークは、彼を独立記念日のホーム・パーティーへ招待することに。
不安げなマークの妻・レイチェルでしたが、大きなボールにカットフルーツを山盛り用意してプロートをもてなしてくれました。
子供たちは「宇宙人だ!」と大喜びし、子供たちよりも歓迎の意を表したのは、飼い犬で人嫌いのシャスタです。
プロートも真っ直ぐにシャスタの方へ向かって行き、全身で愛情を表現。
犬語で会話したあとは、子供たちにシャスタからの要望を伝えてあげるのでした。
戦争も犯罪もないけれど、家族も美味しいフルーツもない惑星・K-PAX。
夜空を見上げた時は、琴座の近くに思いを巡らせてみませんか?