名物は本場で食べるのが1番。
ドンとトニーが車の中で食べたのは、ケンタッキーのフライドチキン。
Story
クラブの用心棒として働くトニー。
店の改装に伴いしばらく仕事がないトニーは、運転手を募集していたピアニストのドンと出会う。
何もかもが正反対の2人は小競り合い繰り返しながらも2ヶ月のコンサートツアーへ出発。
トニーは行く先々でドンへの差別を目の当たりにして-。
ジム・クロウ法が適用されていた1962年のアメリカ。
アフリカ系アメリカ人のドンはある決意を胸に秘めて、コンサートツアーで南部へと向かうことにしました。
用心棒兼運転手として雇われたイタリア系のトニーとは水と油状態。
言動に品格を求めるドンにうんざりしながらも、雇われの身としてトニーはトニーなりに努力していたようです。
アフリカ系への差別意識を持っていたトニーですが、初めてドンの演奏を聴いてからはドンへ尊敬の念を抱くようになります。
会話を重ね、ドンを呆れさせることが多いながらも互いに理解を深めていく2人。
そんな2人が訪れたのはケンタッキー州でした。
ケンタッキーに来たらカーネル・サンダースのフライドチキンを食べなきゃ!とご機嫌のトニー。
地元・ニューヨークではチーズバーガーを48個、ホットドッグをトッピング付きで26個食べたことのあるトニーはかなりの大食漢。
運転中も常にタバコをふかしてはハンバーガーをかじっているところもドンを呆れさせるポイントなのですが、トニーは気にしません。
ケンタッキーの看板を見るやすぐにお店へ寄って大きなバーレルを買って戻り、運転しながら食べることになりました。
黒人なんだからフライドチキンは好物だろ?とドンにも勧めるのですが、視野が狭いと言い返されてしまいます。
実はフライドチキンを食べたことがないドンにどうしても食べさせたいトニーは、強引にチキンを押しやり「膝の上に落とすぞ」と脅します。
衣がひざ掛けについてしまう!お皿もフォークもないのに食べられない!と抵抗するドンでしたがトニーの強引さに根負けし、初のフライドチキンを食べることに。
「美味しいだろ?」と満足げなトニーに、「骨はどうする?」と尋ねるドン。
トニーは車の窓を下げてポイっと外へ放り投げてみせます。
トニーの自由な振る舞いに思わず笑顔になったドンも、同じように骨を窓の外へポイっ。
得意げな顔でトニーはドリンクの容器も外へ投げ捨てますが、そこはドンが許してくれません。
ぶつぶつ言いながらもバックしてドリンクの空き容器を拾いに戻ったトニー。
美味しいものを分け合いながらも、それぞれの個性がくっきりと浮かび上がるユニークなシーンでした。