ボスの作ったお菓子なら、何がなんでも食べなきゃいけない。
たとえそれが液体の滴る謎の揚げ菓子でも。
フランクが頑張って食べたのは、ミロのお手製トルコ菓子・トルンベ。
Story
デンマーク・コペンハーゲンでドラッグの密売をしているフランク。
相棒のトニーと毎日ふざけ合っては、ドラッグにお酒三昧の自堕落な日々を送っている。
とある火曜日、大量のヘロインが欲しいと依頼を受けたフランクは、ボスであるミロの元を訪ねる。
ミロに借金がある身ながら、なんとか了承を取り付けたフランクは翌日取り引きに向かうが、そこには警察が潜んでいた。
この日からフランクの運命は悪い方へ転がり続けて-。
フランクは相棒のトニーとつるんではコカインをやり、くだらない下ネタで盛り上がって、お酒を飲みつつナンパに勤しむ密売人です。
強引なやり方で取り引きを有利に進めたりするものの、扱うドラッグの品質の良さからか、そこそこ人気者のフランク。
ある日舞い込んだ大口の取り引き、成功させて自分の借金も片付けてしまいたいフランクは、ボスであるミロに相談に行きました。
コペンハーゲンを仕切る大物密売人のミロは、無類の料理好き。
飄々とした態度で無邪気に笑い、自慢の手料理を手下に振る舞うお茶目な一面を持っているのです。
フランクがやってきた日にミロが作っていたのは、揚げ菓子のトルンベ。
チュロスのような生地を油で揚げてシロップに漬け込むトルコの菓子で、とっても甘いのが特徴。
フランクの顔が引きつるのもお構いなく、食べてみろと上機嫌で促すミロ。
控えめな抵抗もむなしく食べる羽目になったフランクは、シロップの滴るトルンベをひと口パクリ。
美味しいという感想しか求めていないミロは得意げに満面の笑みを浮かべています。
マズいとは言えず、かと言って美味しい!と言うのは体が拒否をするという心境を絶妙な表情で見せたフランク。
頑張ったおかげか、借金を早く返すように言われただけで大量のヘロインを用意してもらえることとなりました。
翌日約束のヘロインを引き取りにきたフランク。
ミロがヘロインを取りに奥へ行き、ミロの側近のラドヴァン、その従兄弟・ブランコと雑談をしていると、テーブルには例のトルンベが。
食べる?と聞かれたフランクは、ミロがいないのを良いことに「昨日食べたし、マズいからいらない」と正直な感想を述べます。
ラドヴァンとブランコも苦笑い。きっと2人も同じ目に合っているのではないでしょうか。
ちなみに本作は2012年にイギリスでリメイクされており、こちらではミロが中東のパイ菓子こと「バクラヴァ」を振る舞っていました。
こちらもシロップ漬けのとっても甘いお菓子です。
トーク・アバウト・ムービーズ「プッシャーについて」もあわせてどうぞ。