朝帰りするときは、手軽な腹ごしらえを。
キャシーが歩きながら食べたのは
不穏に滴るケチャップたっぷりの
ホットドッグ。
Story
仕事に意欲も持たず、恋にも積極的でないキャシー。
週末になるとバーに姿を現し、”お持ち帰り”を狙う男たちを返り討ちにするという使命をもつのだが-。
医大を中退して以来、何事にも熱意を持たずに過ごしてきたキャシー。
原因となったのは、親友の身に起きた悲劇がきっかけでした。
夢だった”医者になる”という願いさえもあっさりと捨て去り、時を止めてやり過ごすだけの毎日。
両親に発破をかけられたり、同僚に社員になることを勧められたりしても答えは全て「ノー」。
そんなキャシーが唯一没頭して続けていることが、週末のバー通いでした。
バーで酩酊しているフリをして声をかけてくる男を待ち、男の自宅へと持ち帰らせるキャシー。
「危ないから」「心配だから」と声をかけてきたはずの男たちですが、家に帰ると必ず執拗にアルコールや薬物を勧めます。
そして「同意が得られない状況のまま」コトに及ぼうとするのです。
全く酔っていないキャシーが起き上がり「何してんの?」と声をかけると、すくみあがる男たち。
皆一様に不同意のまま襲うつもりだった自分を棚に上げ、キャシーをサイコ呼ばわりして怯えた表情で出て行くように懇願するのでした。
簡単に引っかかる男たちを成敗してはカウントし、記録していくキャシー。
その瞬間だけがキャシーの怒りに満ちた心を少しだけ鎮めてくれるものだったのです。
キャシーに金柑酒を勧め、見事返り討ちにあった男の家からの帰り道。
朝帰りの途中で歩きながら食べたのは、真っ赤なケチャップが滴るホットドッグ。
ヒールを脱いでブラブラと歩きながら、ケチャップが服についたっておかまいなしのキャシー。
そんな姿を見た工事現場の男たちは、下卑た笑い声をあげながら冷やかしの声を投げかけてきます。
全く無表情のまままっすぐ向き直るキャシーに、すぐに怯んで負け惜しみを吐き捨てて去って行く男たち。
キリがないほど湧いてくるこの手の「男たち」なんて、キャシーには相手をするほどのものでもないのです。
痛快な制裁のようすと清々しい朝帰りのシーンさえも序の口である本作。
キャシーのママがゴテゴテに飾り立てた家の内装や、キャシーがやる気なく働いているファンシーなコーヒーショップも見所のひとつです。
ちなみにキャシーがコーヒーショップでかじっているのは、キャンディーケインというお菓子。
クリスマスにステッキ型の物が飾られますが、キャシーがかみちぎっている所を見ると、こちらはソフトキャンディーのような物かもしれません。