暖かく接してくれた人達は、美味しいご飯を提供してくれた。
再会の喜びを盛り合わせた
「シェフのおすすめ」ことケヴィンのお手製キューバプレート。
Story
薬物依存症のシングルマザー・ポーラと貧困地域で暮らす少年・シャロン。
同級生にいじめられていたシャロンは、偶然通りかかった麻薬の売人・フアンに助けられ、交流を深めていく。
シャロンにはたった1人の友達・ケヴィンがいるが、彼に対して抱えている思いが自分でも良く理解できない。
ティーンエイジャーへと成長したシャロンに、ある日大きな事件が起こる。
主人公は内気で口数の少ないシャロン。
“リトル”と呼ばれて過ごす彼は、学校でのいじめや薬物依存症の母との生活で常に気を張って過ごしていました。
いじめっ子たちから逃げるため足を踏み入れた廃墟。
そこは麻薬の密売人たちがモノを隠したりするために使われていた場所でした。
シャロンが逃げ込むのを見ていたのは、シマを仕切るベテラン売人のフアン。
危険なエリアに子供1人でいさせるわけにはいかないとシャロンに声をかけます。
ご飯でも食べにいくか、と誘ったフアンですが、シャロンは一言も口をききません。
それでもフアンと立ち寄ったファストフード店ではご飯をパクパク。
困ったフアンは、ガールフレンドになら何か話すかもとシャロンを連れて帰宅。
ガールフレンドのテレサもやはり暖かい食事でシャロンをもてなし、優しく見守るのでした。
テレサが用意してくれたのは、美味しそうなフライドチキンとコールスロー。
硬く閉ざしてしていた口を開く気になったのは、ご馳走の魔力だったのかも。
この日以降シャロンは2人を信頼し、交流を続けるようになりました。
時が経ち、フアンのような大人へと変貌を遂げたシャロン。
“ブラック”と呼ばれ、ストリートを仕切るシャロンは貫禄も充分。
ある夜突然電話をかけてきたのは、ずっと心の支えだった唯一の友人・ケヴィンでした。
今は小さなお店をしているというケヴィン。
過去にシャロンを救えなかったことを詫び、腕を振るって料理を作るから立ち寄るようにと告げます。
緊張しながらケヴィンに会いに行くことにしたシャロン。
店を訪れたシャロンの変わらない癖をからかいながらも、ケヴィンは大喜びで歓迎してくれました。
料理を食べさせてくれるんだろうと尋ねるシャロンに、ケヴィンはシェフのおすすめをすぐに用意すると厨房へ戻ります。
ケヴィンの用意してくれたのはキューバ・スタイルのプレート。
ポーク・ステーキにライス、ブラックビーンズをワンプレートに盛り合わせたケヴィンの自信作です。
早速食べ始めたシャロンを見るケヴィンの表情は、幼い頃のシャロンを見守るテレサやフアンと同じ愛情に満ちていました。
母親からの当たり前の愛情ももらえず、過酷ないじめにあっていたシャロン。
そんなシャロンにとって、暖かい眼差しに見守られながら食べるご飯は幸せの象徴だったのかもしれません。