ヒーローにはふさわしいドリンクを。
チェスリーがバーで振る舞われたのは
愛称である”サリー”の名を冠したカクテル。
Story
離陸直後にバードストライクでエンジンが停止したUSエアウェイズ1549便。
機長であるチェスリーは空港への着陸が困難であると判断し、ハドソン川への着水を試みるが-。
2009年1月、ニューヨーク。
ベテランパイロットのチェスリーはラガーディア空港からシャーロット空港へ向かうUSエアウェイズ1549便に搭乗。
副パイロットのジェフと共に、いつもどおり業務をこなそうと機体を離陸させました。
直後、眼前には鳥の群れが。
鳥はエンジンに吸い込まれていき、両方のエンジンが機能を停止してしまいます。
冷静にエンジンの再起動や航空管制塔への報告を続ける2人でしたが、指示通り空港へ引き返すには高度が足りません。
他の空港への着陸すら間に合わないと判断したチェスリーは、すぐ側を流れるハドソン川への着水をジェフに告げるのでした。
チェスリーの熟練の腕前で、着水は無事成功。
機内のクルーたちの的確な誘導や周辺のフェリーからの迅速な救助の甲斐あって、1人の犠牲者も出さない不時着水事故となりました。
ニュースは瞬く間に世界中を駆け巡り「ハドソン川の奇跡」として報じられ、チェスリーはヒーローと称賛されることに。
事故の調査のため業務には出れなくなったチェスリーとジェフですが、あらゆるマスメディアから声がかかり休む間もありません。
その一方で事故の調査結果は「シュミレーションでは他の空港への着陸が可能だった」として、チェスリーの判断が無謀であったことを示します。
乗客を危険に晒した可能性があるとして公聴会に出席することになったチェスリーたち。
何度記憶を辿っても自分の判断が正しかったと自信を持っているチェスリーですが、責任の大きさや加熱する報道に神経をすり減らしていきます。
気分転換にジョギングへ出た後、フラリと立ち寄ったのは一軒のバー。
カウンター席に座るなり「あんたあのパイロットだろ?」と声をかけてきたのはバーテンダーでした。
会えて光栄だとチェスリーを褒めちぎるバーテンダーは、チェスリーのために新しいドリンクメニューを開発していたそうです。
彼が作ってくれたのは、チェスリーの愛称”サリー”と名付けられたカクテル。
高級ウォッカのグレイグースにバーガンで水を注いだオリジナルドリンクは、チェスリーのイメージにぴったりで上品なメニューでした。