どんなにバラバラな家族でも、ご飯の時はみんな揃っていただきます。
格別なのは
一緒に食べるフライドチキンと、不揃いなコップで飲むスプライト。
Story
アルバカーキに住むフーヴァー家は問題だらけ。
一家の長・リチャードは破産寸前。
妻のシェリルは自殺未遂をしたというゲイの兄・フランクを家に引き取る。
リチャードの父・エドウィンはヘロインが原因で老人ホームから追い出され、フーヴァー家に身を寄せている。
長男のドウェーンは夢のために「沈黙の誓い」をたてて一言も喋らない。
家族を唯一つなぎ合わせているのは、美人コンテストに夢中な7歳のオリーヴで、フーヴァー家のアイドルだ。
フランクがやって来た日に、オリーヴはコンテストの出場が決まって大はしゃぎ。
みんなで応援に行くことになったものの、経済的に厳しい一家はワーゲンバスでカリフォルニアを目指すことになる。
それぞれが問題に直面しながら不器用に労わりあう、フーヴァー家の長い旅が始まった-。
フーヴァー家の面々はみんな問題を抱えています。
お父さんのリチャードはライフコーチになるという夢があり、胡散臭いお題目を吐いていかがわしい契約にお金を注ぎ込み破産寸前。
そんな切迫した経済状況の中、恋人と破局し仕事もうまくいかなくなった、ゲイでシェリルの兄であるフランクを引き取ることに。
ちょうど夕食のタイミングで集まってきた家族の、それぞれの強い個性に戸惑うフランク。
みんなの事が嫌いだと筆談で訴えるティーンエイジャーの長男・ドウェーンは、おとなしくみんなのお皿やフォークを並べています。
入ってくるなり「毎日チキンなんか食えるか!」と文句を言ったのはおじいちゃんのエドウィンですが、もはや誰も相手にしません。
リチャードはフランクになんと声をかけて良いかわからず、ぎこちない笑顔で席に着きました。
ダンスの練習をしていたというオリーヴの登場でなんとか場が和み、ようやくフーヴァー家のディナーの始まり。
シェリルが用意してくれたのは、大きなバーレルに入ったフライドチキン、茹でたコーンにサラダという、南部の定番メニューでした。
スプライトの注がれた何かのオマケのようなコップは見事に全部バラバラで、フーヴァー家をそのまま表しているかのようです。
食後にはケンカしながらも箱ごとボンっとアイスキャンディーをテーブルに出すシェリル。
すぐに言い合いになったりするのに、どこかしらほのぼのとして見える不思議なフーヴァ一家のディナーなのでした。
トーク・アバウト・ムービーズ「リトル・ミス・サンシャインについて」もあわせてどうぞ。