ものすごくうるさくて、ありえないほど近い (Extremely Loud &Incredibly Close ’11 USA)

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い (Extremely Loud &Incredibly Close ’11 USA)

苦手を克服するためには
自らを奮い立たせることが重要。
オスカーの冒険に欠かせないのは
紙パックのリンゴジュース。

Story

他人とのコミュニケーションが苦手なオスカーは、大好きだった亡き父の部屋でひとつの鍵を見つける。

鍵に合う鍵穴を見つけることで謎が解けると信じて、ニューヨーク中を冒険することになるが-。

こだわりが強く、人との関わりが苦手なオスカー。

アスペルガー症候群の検査を受けても結果は「不確定」、そんなオスカーをうまく導いたのは父のトーマスでした。

オスカーの「こだわりが強い」という特性を活かして「調査探検」に出かけさせ、たくさんの人たちと会話ができるようにしたのです。

「矛盾語」の応酬やテコンドーなど、誰かがいないと出来ないことを教え、いつも全力で対等に遊んでくれたトーマス。

仲の良い親子を突然引き裂いたのは、9.11という「最悪の日」でした。

偶然仕事で訪れたワールドトレードセンターで、トーマスは帰らぬ人となってしまったのです。

「調査探検」を中断してふさぎこんでいたオスカーですが、1年後にトーマスの部屋で小さな鍵を見つけます。

鍵の入った封筒には「ブラック」という文字が書かれているだけ。

鍵に合う鍵穴を見つけられれば、父のいない空白すら埋められるかもしれないと考えたオスカーは、計画を立ててニューヨーク中の「ブラックさん」の家を訪ねることに。

テロ以降、電車や子供の叫び声などの「苦手なもの」が増えてしまったオスカーですが、ありったけの勇気を振り絞って長い長い冒険へと踏み出したのでした。

見知らぬ場所へ行き、見知らぬ人を訪ねては、鍵について質問をするオスカー。

「調査探検」を重ねてきた甲斐あって会話もスムーズですが、苦手なことを続けるのは12歳の繊細な少年にとって並大抵のことではないのです。

そんなオスカーの刺激的な冒険に欠かせないのは、大好きな干しいちじくと、紙パックのリンゴジュース。

普段から野菜ジュースやヨーグルトなどの健康的なものを好むオスカー、フルーツは冒険にも欠かせない大事なお供です。

後に冒険のパートナーとなるおばあちゃんの家の謎の間借り人にも、大好きなリンゴジュースをシェアしてあげていました。

冒険を重ねるごとに苦手を克服して成長していくオスカー。

大好きなパパとあまりにも悲しいお別れをしたオスカーの、冒険の結末とは-?

世界中に溢れた悲しみ、それを乗り越えるために必要なものを教えてくれる、愛の詰まった優しい作品でした。

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