イラの作るお弁当はどれも美味しくて、ランチの時間が待ちきれない。
サージャンが初めての手紙とともに味わったのは
イラの真心こもったパニールのカレー。
Story
インド・ムンバイで暮らす主婦のイラ。
すれ違い気味の夫のために作ったお弁当が誤配送され、退職間近のサージャンの元へ届けられる。
気付かずに食べたサージャンは美味しさに驚き、イラはお弁当箱がキレイに空っぽで返ってきたことに驚く。
夫ではない誰かが食べてくれたことに気付いたイラはお礼の手紙を忍ばせ、手紙を読んだサージャンは不器用に返事をしたためた。
お互い味気ない日々を送っていた2人の生活は、手紙とお弁当で輝きを取り戻していく-。
インドの誇るシステムによってお弁当を配達する、ダッバーワーラー。
驚異の正確さで、家庭から集めたお弁当を電車や自転車を乗り継いで会社へと届けてくれます。
そんなダッバーワーラーの誤配送から知り合うことになったイラとサージャン。
イラはろくに会話すらしなくなった夫のため、お弁当で愛情を表現しようと奮闘。
上階に住む叔母さんの手助けも借りつつ、愛情のたっぷりこもったお弁当をダッバーワーラーに託します。
インド式のお弁当箱はアルミ製の4段重ねで密閉性も高く、汁気のあるカレーでも平気な優れ物。
そんなお弁当を受け取ったのは、早期退職間近の気難しい顔をしたサージャン。
孤独に慣れすぎたサージャンは、物静かで近寄りがたい一匹狼です。
仕出し屋に頼んだはずのお弁当がその日はなんだかとっても美味しくて、顔を綻ばせてキレイに平らげてしまうサージャン。
返ってきたお弁当箱のキレイさに驚いたイラですが、夫に作った覚えのないメニューの感想を言われ、誤配送に気づきました。
それでも誰かが食べてくれたことが嬉しくて、翌日のお弁当にお礼の手紙を忍ばせてみるイラ。
手焼きのチャパティに紛れた手紙に気付いたサージャンは戸惑ったものの、やはりその日も残さずペロリと完食。
そうと知らぬ間にがっちりと胃袋を掴まれてしまっていたのでした。
「キレイに食べてくれたお礼に」とイラが作ってくれたのは夫の好物でもあるパニールのカレー。
パニールとはカッテージチーズのようなチーズに味付けし、油で揚げたもの。
イラは大きめのミートボールのように丸めてカレーに入れていました。
素っ気なく「塩辛かった」なんて返事を書いてしまったせいで、サージャンは翌日激辛カレーを食べる羽目に。
パニールをきっかけにゆっくりと知り合っていくことが出来た2人。
イラの作るお弁当はどれも美味しそうで、見終わった後必ずカレーが食べたくなってしまいます。
トーク・アバウト・ムービーズ「めぐり逢わせのお弁当について」もあわせてどうぞ。