生き抜くためには、まずは栽培から。
火星に取り残されたワトニーを救ったのは
知識をフル稼働して植えたジャガイモ。
Story
火星の有人探査ミッション中、砂嵐が発生し、クルーのワトニーが吹き飛ばされる。
ワトニーを死亡と判断して地球へ帰還するヘルメス号のクルーたちだったが、ワトニーは奇跡的に生きていた。
1人火星で生き延びるため、残っていたあらゆる物資を利用して必要な物を作り出すワトニー。
ワトニーの正確な計算は功を奏して-。
初めて火星でひとりぼっちとなったワトニー。
クルーたちが自分を置いていった判断は正しいと冷静に受け止めて、これから起こりうる状況を事細かに想定していきます。
救助を望めない状況でも、諦めず前向きに生き延びる術を考えるワトニー。
さすが宇宙飛行士とあって、逆境を耐え抜く不屈の精神と発想の転換力は人並み外れたものがあるのです。
まずは次の火星探査計画が4年後であることから逆算して、備蓄がどれくらい保つのかを調べていきます。
しかしどれだけ前向きに考えてもいつか足りなくなってしまうのが、食糧でした。
基地内を全て調べた結果、植物学者であるワトニーにできることは、ジャガイモを栽培すること。
ジャガイモは感謝祭の時のためにと唯一未調理のまま残されていたものでした。
何度も往復して火星の土を運び込み、基地内に畑を作るためせっせと畝を作ります。
飼料にするため使ったのは、これまで溜めてきたクルーたちの有機排泄物。
成長させるために水までも作り出し、見事なジャガイモ畑を完成させました。
まさに究極のガーデニングとも言える火星でのジャガイモ作りは大成功。
初めて芽が出たときはワトニーも感動、そしてジャガイモは400個も収穫することが出来たのです。
大きなものは食用に、小さなものはまた植えるためにと選別し、長期的に栽培出来るようにと準備も完璧。
食糧を確保することが出来たワトニーは、自分が生きていることを地球へ知らせ、積極的に救助を求められるよう計画をたてるようになります。
通信機器を入手したワトニーが次の手を考えながら食べたのは、加熱した”ふかし芋”。
ケチャップをつけながら初の火星産有機栽培のジャガイモを食べて、NASAとのスムーズなやりとりが出来るような方法を編み出します。
その後くる日もくる日も食べることになったジャガイモを、ワトニーは切り方を変えて変化を付けることで飽きを誤魔化していました。
いつ必要になるかわからないサバイバルの知恵。
ワトニーほどは出来なくても、前向きに問題に立ち向かう精神は見習いたいものです。