愛する娘の誕生日パーティー。
ミロが張り切って作ったのは、50人分のセルビア料理・サルマ。
Story
デンマークの麻薬密売人・ミロ。
かつては大物だったミロもすっかり影響力が弱まり、今は断薬会にひっそりと参加する日々。
その日は愛娘・ミレナの誕生日パーティーがあり、ミロが腕を振るって50人分もの料理を用意する約束をしていた。
料理の合間にも舞い込む厄介な仕事、大柄な態度を取る若き密売人たち。
ミロは苛立ちを募らせながらも、なんとか感情をコントロールしようと努めていた。
パーティーの時間が迫る中、手下たちは体調を崩し、取り引き相手は約束の時間に戻ってこない。
堪り兼ねたミロの前に、過去の取り引き相手・カートがヘロインを持って現れる-。
プッシャー、プッシャー2と存在感を見せつけていたミロ。
本作ではすっかり勢いを失って、野心的な若者たちに押され気味のミロが描かれています。
自身は内緒で断薬会に参加しながらも、手下や取り引き相手にはなめられまいと我を張るミロ。
そんなミロの1番の弱みは、甘やかして育てたわがまま放題の娘・ミレナの存在です。
ミレナの望みをなんでも叶えてあげたいミロは、ミレナの25歳の誕生日パーティーで自慢の料理の腕を振るうこととなりました。
ミロが用意したのは、セルビア料理の数々。
豚の丸焼きなどの豪華料理が大皿に盛られていましたが、とりわけ力を注いで作ったのがサルマでした。
サルマとはキャベツで挽肉を巻いた、東南ヨーロッパの料理。
ロールキャベツの一種ですが、発酵させたキャベツで酸味を効かせるのがサルマの特徴です。
ミロは慣れた手つきでキャベツを巻いてはお鍋に放り込み、出来上がったサルマを得意げに手下の男たちに振る舞います。
過去にミロの側近だったラドヴァンが「ミロは作った物を自分では食べない」と言っていましたが、この味見をしないスタイルが今回は裏目に。
ミロのお手製サルマやヘッドチーズを食べていた手下のブランコやデリコンヤたち。
肉が生だよ!と訴えたものの、「ふざけるな」とミロに一蹴されてしまいました。
仕方なく生焼けのサルマを平らげますが、数分後には全員が食中毒で苦しむという事態に。
自分のせいだと認めないミロは苦しむブランコたちに買い出しの手伝いを頼みますが、誰一人まともに動ける状態ではありません。
いつものお供がいないことを説明するたび、「あいつらに何を食べさせたんだ?」と笑われてしまうミロ。
パーティー客全員を食中毒にしてしまわなかっただけマシなのかもしれませんが、崩壊の始まりを予感させるスリリングなシーンでした。
トーク・アバウト・ムービーズ「プッシャー3について」もあわせてどうぞ。