プッシャー2 (Pusher 2 ’04 Danmark)

プッシャー2 (Pusher 2 ’04 Danmark)

トニー坊やは不摂生。

ドラッグ中毒のトニーの朝ご飯は

不健康なドラッグ入りのコーンフレーク。

Story

刑務所を出所したばかりのトニー。

今度こそ真面目に生きてやり直すと誓いつつ、自動車窃盗集団の長である父に仕事を求め、またドラッグ漬けの日々に戻る。

とある日、シャーロットの赤ん坊の父親はトニーなのかと友人に訊ねられる。

身に覚えがありながらも認めたくないトニーは否定するが、何度か赤ん坊と接するうちに、微妙な心境の変化が起こっていた。

ある日売春宿を営むカートから、大きな仕事の手伝いを依頼されたトニーは-。

前作プッシャーでフランクの相棒だった陽気でお気楽なトニー。

麻薬の取り引きのあとは一緒にご飯を食べ、酒を飲んではコカインを吸う仲だったフランクと疎遠になり、トニーは刑務所に入っていました。

心機一転まじめにやり直そうと決めたトニーは、父親の元を訪ねます。

トニーの父親は自動車修理工に見せかけた自動車窃盗を行うギャングで、職場には右も左もその道の人ばかり。

ギャングの父親に、娼婦の母親、友人やその恋人までドラッグ漬けであるトニーの環境は、生まれた時から変わらないままでした。

やり直す、なんて誓いも空しく、当然のようにドラッグ漬けの日々へ戻ってしまうトニー。

ある日刑務所にいる間に自分の子供が生まれていたことを知って驚きます。

一度関係を持っただけの相手・シャーロットは、お金さえくれれば子供の面倒は見なくていい、むしろ関わらないでほしいとのこと。

シャーロットの友人・グーリは、遺伝子検査を受けて父親であると認めるようトニーに促します。

そんな会話の間にトニーが食べていたのは、朝ご飯のコーンフレーク。

シャーロットとグーリは顔を合わせるたびにコカインを使うらしく、テーブルには常にコカインのラインが引いてあります。

そして赤ん坊がいるのもおかまいなしに吸い続けるマリファナとタバコ。

ゾッとするようなダイニングに寝起きのトニーが登場、大きめのボールにザラザラっとコーンフレークを流し込みます。

そのあとテーブルの上に残っていたコカインを手で拾い集め、コーンフレークの上にパラパラとかけてしまうのです。

食べている間中、女たちから子供のことやお金のことで非難を浴び続けるトニーですが、聞いているのかいないのか上の空でモグモグ。

赤ん坊の顔を覗き込んでは「俺に似てない」などと半笑いで言い放ち、食べ終わったあとは水道の蛇口から直で水を飲みます。

まともになりたくてもなり方がわからない、そんなトニーの境遇が見えてしまうちょっと悲しい朝食シーンでした。

トーク・アバウト・ムービーズ「プッシャー 2について」もあわせてどうぞ。

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