殺し屋を目指すなら
まずは健康的な生活を。
レオンの規則正しい暮らしに欠かせないのは
2パックのミルク。
Story
家族を惨殺された少女、マチルダ。
助けを求めた相手は、同じアパートに住んでいた殺し屋の男で-。
素行の良くない両親、意地悪な姉、唯一の救いである可愛い弟。
そんな家族の中で、マチルダはいつも孤独を感じていました。
学校にも馴染めず、居場所のないまま、毎日アパートの踊り場で時間が過ぎるのを見送っています。
一方、孤独であることを望んで暮らしている殺し屋のレオン。
仕事は正確で重宝されているものの、心癒されるのは映画館でひとり映画を観ているその時だけ。
レオンが映画館から帰宅した時、マチルダは親に手を上げられて鼻血を流していました。
マチルダ一家のただの隣人であるレオン、痛々しい姿の女の子を放っておけず、ハンカチを差し出します。
「大人になっても人生はつらいの?」なんて尋ねながらも、レオンの優しさに触れて表情を緩めるマチルダ。
親切のお礼に買い物をして来てあげると、レオンに声をかけました。
レオンがいつも買っているのは、2パックのミルク。
マチルダは毎日2パックのミルクを買うレオンのことを見るともなしに見ていて、印象に残っていたようです。
機嫌良く出かけたマチルダと入れ替わりにやって来たのは、危険な男たち。
彼らはマチルダの父親がくすねた薬を取り戻しにやってきたのでした。
不穏な気配を感じながらも、レオンはそっと覗き窓から様子をうかがいます。
父親だけでなく、家族をみんな惨殺してしまう男たち。
そこに運良く難を逃れたはずのマチルダが、ミルクを抱えて帰って来てしまいます。
家族の異変を感じ取ったマチルダは部屋の前を通り過ぎ、レオンの部屋のベルを鳴らしますが、ドアを開けるか悩むレオン。
やはり見殺しにできないと判断したレオンはドアを開け、マチルダを迎え入れました。
罪のない愛する弟まで殺されてしまったマチルダは、レオンに「殺し方を教えてほしい」と懇願します。
最初は相手にしなかったレオンですが、頼るあてもないマチルダに自身を重ねてしまい、側に置くことに。
毎日のトレーニングや銃の手入れ、鉢植えの手入れを教えるレオンに、文字の読み書きやゲームを教えるマチルダ。
規則正しさを大事にするレオンと対照的に単調さに飽き飽きするマチルダでしたが、レオンに出されたミルクは素直に飲んでいました。
孤独な者同士だけにできた確かな絆。
涙なくしてみられないエンディングも美しい、文句なしの名作です。