美食家は妥協しない。
レクターが機内食代わりに持ち込んだのは
ディーン&デルーカのランチボックス。
Story
脱獄後フィレンツェに潜伏していたハンニバル・レクター。
レクターに恨みを持つメイスンの策略により、レクターを追うことになったクラリスだったが-。
重警備精神病棟から逃走し、フィレンツェに潜伏して暮らしていたハンニバル・レクター博士。
レクターの行方を追っていたのは、FBIのクラリスだけではありませんでした。
過去にレクターに唆され、醜い姿に成り果てたものの唯一生き残ったレクターの被害者であるメイスン・バッジャー。
大富豪であるメイスンはレクターに多額の報奨金を賭けていて、自身の復讐を果たすべく準備を進めていたのです。
レクターを誘き出すための撒き餌とされたクラリスは、司法省のポールから停職を命じられたり、職務上屈辱的な目に遭わされます。
そんな動きも逐一把握していたレクター、罠だと理解していながらもクラリスと接触し、メイスンの手に落ちることに。
連れ去られたレクターが非道な拷問にかけられそうになるまさにその時、クラリスが単身乗り込み、手下たちと激しく撃ち合います。
レクターを救う形になったクラリスが負傷し、今度はレクターがクラリスを救出。
自身に積年の恨みを抱いていたメイスンを、自らの手を汚すことすらなく退治してしまいます。
その後レクターは、事前に用意をしていたおぞましい晩餐会にクラリスを参加させるのでした。
意識が朦朧としながらも、レクターを追い詰めたクラリス。
それでもやはり一枚上手のレクターを取り逃してしまうことに。
クラリスから逃れたレクターは、空の上まで逃げおおせていたのです。
レクターが機内食として用意していたのは、ディーン&デルーカのランチボックスと、赤ワイン。
提供される機内食を食べ物とは言えないというレクターならではの、食べ物へのこだわりが見えるシーンです。
ランチボックスの中にはキャビアやイチジク、チーズにクラッカーと、他にも美味しそうなフルーツが。
ひとつだけ不穏なタッパーが入っていて、どうやら中身はおぞましい晩餐会での残り物が詰められているようです。
人喰いで美食家のレクターを象徴するようなランチボックスに、隣のシートの女の子が興味を示して、なんとも言えない後味の悪いエンディング。
食欲が減退するシーンの多い本作ですが、ハンニバル・レクターの強烈な印象を焼きつけられる衝撃作でした。