怒られながら食べると、好物だって美味しくない。
レナードがみんなの前で食べたのは
隠し持っていたジェリードーナツ。
Story
ベトナム戦争に参加するため海兵隊の訓練所に集まった若者たち。
海兵隊訓練キャンプではハートマン軍曹の地獄のしごきが連日行われていた。
何をやってもダメな訓練生のレナードは、機転のきくジェイムズに助けられながら過酷な毎日を耐えていたが-。
聞くに耐えない罵詈雑言で訓練生たちを追い込み、鍛えていくハートマン軍曹。
自身を憎ませることで訓練生たちの闘志を引き出そうという思惑があるようですが、8週間も続く地獄のような訓練に訓練生の誰もが神経をすり減らしていました。
初日から目をつけられ、「ゴーマー・パイル(ほほえみデブ)」という呼び名をつけられてしまったのは、落ちこぼれのレナード。
運動神経が鈍く、右と左がわからなかったり、何をさせても鈍臭いレナードはハートマン軍曹の格好の標的で、誰よりも怒鳴られてばかり。
ボロカスにけなされるのは当たり前、体罰や屈辱的な懲罰が続くレナードに、ハートマン軍曹はジェイムズを世話役としてあてがいます。
「ジョーカー」と呼ばれハートマン軍曹に根性を買われているジェイムズは、班長に抜擢された優等生。
忍耐強くレナードに寄り添い、丁寧に教えてやりながらレナードの苦手なことを克服していきます。
ジェイムズのおかげで服装もピシッと決まり、障害物を乗り越えられるようになったレナード、ハートマン軍曹も満足気な様子です。
悲劇が起きたのは、とある身体検査の日でした。
下着姿で小型ロッカーの上に立ち、整列していた訓練生たち。
両手を前に出して爪が伸びていないかなどのチェックを受けています。
次々ダメ出しされていく訓練生たち、レナードの順番がやってきました。
もともとだらしない部分が目立っていたレナード、今回はロッカーの鍵をかけていなかったことからハートマン軍曹の怒りを買うことになります。
ロッカーから降りるようレナードを怒鳴りつけたハートマン軍曹、「何も盗まれていないかチェックしてやる!」とレナードの私物を床にぶちまけました。
中に隠してあったのは、食堂からこっそり持ち出したジェリードーナツ。
レナードのルール違反に激怒したハートマン軍曹ですが、レナードを罰するのではなく、連帯責任として全員に懲罰を与えることにします。
かくして訓練生全員が腕立て伏せをする中、レナードは真ん中でドーナツを食べるハメに…。
惨めな気分と共にドーナツを飲み込むレナードの表情と、必死で腕立て伏せをする訓練生たちの姿がなんともシュールで忘れられないシーンでした。