旧友をもてなす時は
美味しい物をたっぷりと。
ダミエルがカシエルに食べさせたのは
種入りのオリーブ。
Story
人間になったダミエルを見守りながら漂っていたカシエル。
ひょんな事から自身も人間となってしまったカシエルだったが、ダミエルに会うより早く悪魔に出会ってしまって-。
ダミエルを見送ってから以前より味気ない「永遠」を過ごしていたカシエル。
人間の目を通して世界を見てみるのはどんな気分だろう?なんてことを考えながら、ダミエルや他の人間の生活を見守っていました。
ある日ついうっかり女の子を助けてしまったことから、カシエルもまた人間になってしまいます。
驚いたものの、色鮮やかな風景や体の重みを楽しむカシエル。
仲の良かったラファエラに語りかけるように、人間の目に映る世界を讃えてみせるのでした。
そんなカシエルに話しかけてきた怪しげな男が1人。
天使と同じ不死身の悪魔であるエミットはカシエルを手玉に取り、近付かないよう警告するラファエラにもカシエルの運命を予言してみせるのです。
騙されて鎧を売ってしまい、お金も名前もないまま留置所に入れられてしまったカシエル。
そんなカシエルを迎えに来てくれたのは、人間として幸せに生きて「天使の家」というピザハウスを始めたばかりのダミエルでした。
妻のマリオンと娘のドーリアの3人で暮らすダミエルは、カシエルを留置所から連れ出して大はしゃぎ。
「まずは甘いエスプレッソ、グラッパで温まったら、ミルクたっぷりのカフェオレを飲もう!」とカシエルに提案します。
「プロシュートにチーズとオリーブ、もちろんピザも焼くぞ!」と歓迎の気持ちを爆発させるダミエルに、カシエルも心底嬉しそう。
ドーリアに「カールおじさん」として自己紹介したカシエルにダミエルが食べさせてくれたのは、オリーブの実。
「種が入ってるから気をつけて」なんて注意をしながらカシエルの口にオリーブを放り込み、パルマ製のハムやチーズをどっさり用意するダミエル。
再会の喜びや”人間の先輩”としてカシエルに物事を教えてあげられること、そして家族を紹介することが出来て本当に幸せそうでした。
カシエルが見守ってくれていることを知りながらも、会話が出来ずに「僕のピザを食べさせてやりたい」とつぶやいていた矢先の、思わぬ再会。
何よりもまず美味しい物を食べさせて「味わえる」喜びを共有しようとするところが、誰よりも「人間」らしくて微笑ましいシーンでした。